白馬姫川温泉「天神の湯」成分分析表・効能・禁忌症

泉質:ナトリウム-塩化物温泉(中性低張性高温泉)

小谷村に近い姫川沿いから自然湧出している(株)白馬ハイランドホテルが所有する温泉(自家源泉)です。平成17年の計測時の水素イオン濃度はpH7.6で弱アルカリ性を差していましたが、平成26年の計測ではpH7.4で「弱アルカリ性よりの中性」となりました。pH7.4というと、人間の血液の値とほぼ同等で、刺激が少なく肌にやさしいお湯です。pHの値でのみ見ると、乾燥肌に優しいとされる値です。(ただ、優しいとはいえ、のぼせるほど入らないでくださいね。もちろんお湯から出たら水分補給や保湿はしておきましょう)

源泉名 白馬姫川温泉
湧出地 白馬村北城15848
調査および試験年月日 平成26年3月25日
泉温 49.4℃
湧出時の外気温 11℃
湧出量 130L/分
知覚的試験 ほとんど無色透明、塩味・微鉄味を有す。また、付随ガス(主にメタン)の湧出を認める。
水素イオン濃度 pH 7.4
密度 1.0021 (20℃において)
蒸発残留物 2689 mg/kg

蒸発残留物が1000mg/kgを超えていると「塩化物泉」などの名称が使えます。(1000mg/kg以下の場合は単純温泉・単純泉となるケースが多い) 残留物が多い=お湯にいろいろなものが溶け込んでいると 湯あたりしやすいお湯ともいえますが、2724mgは少なすぎず多すぎず、これが8000を超えると「等張性」、10000以上で「高張性」と変わります。
低張性高温泉とありますが、低張性とは、体の細胞の有する塩分のほうが、温泉よりも高いということです。どういうことかというと、温泉に浸かっていることによって、細胞の塩分が温泉に出て、温泉の水分を体が取り込む=ふやけるということです。ゆっくり浸かっても湯あたりしにくいですが、きっとふやけます。

本水1キログラム中に含有する成分、分量及び組織

陽イオン成分 ミリグラム ミリバル ミリバル %
水素イオン - - -
リチウムイオン 0.3 0.04 0.09
ナトリウムイオン 677.1 29.45 69.78
カリウムイオン 88.1 2.25 5.33
アンモニウムイオン 0.3 0.02 0.05
マグネシウムイオン 39.7 3.27 7.75
カルシウムイオン 142.5 7.11 16.85
ストロンチウムイオン 1.0 0.02 0.05
バリウムイオン 0.3 0.004 0.01
アルミニウムイオン - - -
マンガンイオン
鉄(Ⅱ)イオン 1.2 0.04 0.09
鉄(Ⅲ)イオン - - -
銅イオン - - -
亜鉛イオン - - -
陽イオン 計 950.5 42.20 100
陰イオン ミリグラム ミリバル ミリバル %
フッ素イオン 1.1 0.06 0.14
塩化物イオン 1340 37.80 88.89
臭素イオン 4.4 0.06 0.14
ヨウ素イオン 0.6 0.005 0.01
亜硝酸イオン - - -
硝酸イオン - - -
水酸化物イオン - - -
硫化水素イオン - - -
チオ硫酸イオン - - -
硫酸水素イオン - - -
硫酸イオン - - -
リン酸水素イオン - - -
メタ亜ヒ酸イオン - - -
炭酸水素イオン 280.9 4.60 10.82
炭酸イオン - - -
メタケイ酸イオン - - -
メタホウ酸イオン - - -
陰イオン 計 1627 42.53 100
非解離成分
成分 ミリグラム ミリグラム
メタケイ酸 194.4 2.49
メタホウ酸 42.2 0.96
メタ亜ヒ酸 - -
リン酸 - -
硫酸 - -
非解離成分 計 236.6 3.45
溶存ガス成分
成分 ミリグラム ミリグラム
浮遊二酸化炭素
(遊離炭酸)
27.4 0.62
遊離硫化素 - -
溶存ガス成分 計 27.4 0.62

溶存物質量が2814mg/kgあるので ○○泉となります。
イオンを含む量でミリバル%が20以上のものが泉質名として出てきますので、陽イオンではナトリウムイオンの69.78、陰イオンの塩素イオンの88.89
それらが泉質名となりますので、天神の湯は「ナトリウム塩化物温泉」といえます。

温泉と水道水とどう違うのか比べてみよう

参考までに、白馬村発表の楠川水系の水道水の成分分析結果 平成20年度版のデータです。(ホテルの水道水が楠川水系の水を使っています。)
pH 7.2
ナトリウム及びその化合物 4mg/kg(東京勝どきは20mg/kgほど)
塩化物イオン 1.9mg/kg(東京勝どきは20mg/kgほど)
カルシウム、マグネシウム 20mg/kg
残留蒸発物 52mg/kg(東京勝どきは190mg/kgほど)
比べても分かるように、温泉はミネラル分が豊富です。

禁忌性と適応症

禁忌症 (浴用) 病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血などの身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性憎悪期 (今まであった妊婦さんの入浴についての記述は根拠がないということで削除されました)
禁忌性(飲用) 許可されていません
一般適応症 筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症
塩化物泉の適応症
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾 燥症
※参考までに平成26年まではこのような表示になっていました。
禁忌症 (浴用) 急性疾患(特に熱のある場合) 活動性の結核 悪性腫瘍 重い心臓病 呼吸不全 腎不全 出血性疾患 高度の貧血 その他一般に病勢進行中の疾患 妊娠中(特に初期と末期)
禁忌性(飲用) 許可されていません
適応症 神経痛 筋肉痛 関節痛  五十肩  運動麻痺  関節のこわばり  うちみ  くじき  慢性消化器病  肩こり  痔疾  冷え性  病後回復  疲労回復  健康増進  きりきず  やけど  慢性皮膚病  虚弱児童  慢性婦人病

適応症は各所の温泉ごとに全て異なっていると思っている方がいらっしゃいますが、実は日本中の「療養泉」に分類される温泉は全て同じこれらの適応症が認められています。同様に「塩化物泉」に分類される温泉には全て同じ適応症が認められています。
ただ、それぞれの温泉の温度や雰囲気等の環境はそれぞれのものですので、泉質も重要ですが、入浴する「気分」もとても重要な要素の一つでしょう。
白馬姫川温泉「天神の湯」はなんといってもその非日常の眺めのよさにあります。転地効果が抜群に望める温泉で体は芯から温まり、気分も一緒にリフレッシュしていってください。

自家源泉 【白馬姫川温泉】

ナトリウム成分を多く含んだ塩化物温泉で海水の成分に似た塩分やミネラルを多く含み、塩気のあるほぼ無色透明の温泉です。
先に述べたように高齢者にもやさしく、よく温まり、入浴することにより皮膚に塩分が付着し、汗の蒸発を妨げるため、 保温効果がよく湯冷めしにくいことから「温まりの湯」といわれることがあります。(熱の湯といわれることもあります)温泉成分のコーティング効果があるので保湿剤のような役目を果たし、アルカリ性が強く、肌の角質をとる「美肌の湯」に入った後に 塩化物泉の温泉に入って肌の乾燥を防ぐ「美人の仕上げ」にも利用できます。
※八方温泉はアルカリ性単純泉で、日本でも指折りの【強】アルカリ性のお湯です。肌の角質を溶かす力が強い(石鹸がpH10程度に対し、八方温泉はpH11.2なので石鹸効果があります)ので、 手がぬるぬるした感覚になります。入りすぎるとカサカサに乾燥しやすくなりますが、その後白馬姫川温泉に入ることによって、 しっかりした保湿効果を得られるのでおすすめです。

【豆知識】
適応症に書かれないのが「美肌効果」で、これは【療養】ではないので適応症と認めておらず、温泉地の「自称」といえます。
けれど実際には温泉に入ることで不要な角質をとり、ツルツル肌を作る効果があるので、少なからずとも効果があるといえるでしょう。
pH値が高い(数字が大きい)ほど肌の角質をとる働きは強いのですが、あまりアルカリ性が高いと、角質を溶かしすぎて乾燥しやすくなることがあります。硫酸塩泉・硫黄泉などとともに毛穴の汚れを溶かし取ったりメラニン色素を分解したりすることによる美白効果が認められています。一方、酸性の温泉は殺菌効果が強く皮膚病にいいとされます。

温泉の効果について
温泉の様々な効能の一番の源は温熱作用によるものです。 温泉に入って温まると、血管が拡張して血の流れが良くなります。熱すぎないお湯に入ることで、自律神経はリラックスするように副交感神経が優位に働いて、いろいろな効果をもたらします。 血の巡りがよくなることで、筋肉痛・関節痛やこわばりなどをやわらげ、軽症高血圧、冷え性や末梢循環、痔の痛みなどの改善につながります。 体の内部まで温まることは、腸の働きも良くします。腸は体内で最大の免疫器官ですから、腸の働きがよくなると、免疫力もアップするというわけです。さらに腸が良く動くと便秘にも効果があります。

白馬姫川温泉・天神の湯は塩化物泉で、「熱の湯」と呼ばれているほど保温効果がありますので、「温泉」の温熱作用がより増大されるわけです。 温泉に浸かることで血行がよくなって、露天風呂から目の前に広がる大きな景色を見ていれば、知らず知らずに気持ちもほぐれるはず。ストレス症状、冷え性の方にもいいというのは、このあたりから来ているものです。